進化し続ける日本の高級セダン、トヨタクラウン(CROWN)その中でも14代目にあたる210系は、歴代の伝統を継承しつつ、デザイン・装備・走行性能のすべてにおいて大きな進化を遂げ法人・個人問わず幅広い層に支持されました。今回は14代目クラウンとボディーを共用する6代目マジェスタにピックアップし、その誕生の背景や開発コンセプト、存在感を放つエクステリア、上質なインテリア、グレードの違いや現在ではコスパに優れる中古車相場まで解説。印象に残った1台となった、14代目クラウン・6代目マジェスタその魅力に迫っていきます。

当該記事は、職業柄延べ18,000台以上の運転経験のある筆者(えーがた)が、印象に残った1台をピックアップして振り返って執筆しています。
14代目クラウン210系はどんなクルマなのか

14代目「クラウン210系」は2012年に登場、トヨタのフラッグシップセダンとして多くの注目を集めました。先代に続く「ロイヤル」シリーズ、「アスリート」シリーズ、後に基本コンポーネントを共有する最上級「マジェスタ」シリーズが加わり3構成となりました。歴代クラウンの伝統を受け継ぎつつ、先進安全装備や新世代パワートレインを搭載し、大きく進化しています。また通称「ピンク クラウン」を始め、空色、若草色など斬新ボディーカラーを持つ特別仕様車の発売など、多様なユーザーニーズに応えるラインナップでも注目を集めたモデルでもあります。

先代から登場の「ハイブリッド」モデルは「ロイヤル」「アスリート」に設定されています。
14代目クラウンデザインの進化とコンセプト

14代目「クラウン210系」は2012年12月発売。キャッチコピーは「CROWN Re BORN(クラウン リボーン)」先代からプラットフォームをキャリーオーバーし、エクステリアは基本部分をキープコンセプトとしつつも、フロントフェイスを刷新。フロントは、バンパーレベルにまで達する大胆な大型ラジエーターグリルを装着。「ロイヤル」シリーズが「王冠」をイメージしてデザインされているほか、「アスリート」シリーズは、稲妻をイメージさせるデザインを取り入れ違いを演出。これまでに無いダイナミックさを印象付けています。ヘッドライトには、LEDクリアランスランプを採用しているのも特徴です。
6代目クラウンマジェスタ誕生の背景

6代目「クラウンマジェスタ210系」は、2013年9月にフルモデルチェンジし販売開始。初代から続いていた専用ボディーは廃止され、14代目「クラウン210系」「ロイヤル」シリーズをベースとして、ホイールベースを延長(75mm)したボディーが採用されました。こうして5代目「クラウンマジェスタ」までの独立した位置づけから、14代目「クラウン210系」とのボディーの共用化により「ロイヤル」「アスリート」より上位に位置する「マジェスタ」シリーズとしてスタートしました。
またボディーは共有しながらも、エクステリアは、王冠を連想させる大型グリルにマジェスタ伝統の縦桟を用いた威厳に満ちたフロントビュー、ロングホイールベースで伸びやかなフォルム、サイドにはクロム加飾が施され際立つ印象、ヘッドライトには精悍で高級感もあるLED4灯式を採用、エクステンション部を黒色化したうえ、クリアランスランプのライン発光部をスモークブルーとするなど特別感も演出しています。

ダウンサイジングにより、初代より継承されてきた「V8」やエアサスも廃止されました。
グレード展開と新車価格
14代目「クラウン210系」当初のグレード展開は、フォーマルな「ロイヤル」シリーズに2.5Lエンジン、高級車に求められるスポーティさを追求した「アスリート」シリーズには、2.5Lエンジンと3.5Lエンジンを搭載。「ロイヤル」シリーズは、ベースモデル「ロイヤル」4WDモデル「ロイヤル i-Four」上位グレードの「ロイヤルサルーン」4WDモデル「ロイヤルサルーン i-Four」豪華装備の「ロイヤルサルーンG」4WDモデル「ロイヤルサルーンG i-Four」を設定。「アスリートシリーズ」は、ベースモデル2.5L「アスリート」2.5L/3.5L「アスリートS」「アスリートG」、4WDモデルは2.5L「アスリートi-Four」「アスリートS i-Four」「アスリートG i-Four」を設定。また「ロイヤル」「アスリート」各グレードには2.5L+モーターの「ハイブリッド」も用意。
更に最上級モデル「マジェスタ」6代目は「ハイブリッド」専用モデルとなり、V6 3.5L+モーターを搭載。「ベースグレード」と、装備をより充実させた「Fバージョン」を設定。顧客の拡大や「ハイブリッド」の更なる普及を視野に、シリーズ全体で車両本体価格の大幅値下げを行った。新車価格は353万円〜670万円でした。
発売期間
14代目「クラウン210系」は、2012年12月から2018年6月までの約5年間にわたり販売されました。「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」など多彩なグレードや仕様を展開し、さらにはハイブリッドモデルもラインアップに加わることで多くのユーザーから支持を集めました。後に追加される2.0Lターボ・2.5L・3.5Lといった幅広いエンジンラインナップや、4WD仕様の追加などもあり、ビジネス利用やプレミアムセダンとしての需要に応えています。
14代目クラウンは印象に残った1台

それまで私の14代目「クラウン210系」へのイメージは、まずエクステリアで存在感を放つ大型のグリル、通称ピンク クラウンの登場や、後に登場する空色、若草色などクラウンにとって意外性のある組み合わせを採用して、「クラウン210系」を強く印象付けています。
その中でも今回シリーズに加わった6代目となる「クラウンマジェスタ210系」は、「ロイヤル」ベースでボディーを共有しながらもLED4灯式のヘッドライトや伝統の縦桟を継承したフロントフェイス、ロングホイールベースで伸びやかなサイド周りと、ロッカー部分のクローム加飾が更なる高級感を演出。リヤには「マジェスタ」のエンブレムで違いを強調しています。
インテリアでは、各種操作スイッチをタッチパネルに集約することでシンプルな操作性を実現した先進のトヨタマルチオペレーションタッチを採用。視覚的にも明解に操作状態を確認することができます。

今回からハイブリッド専用車となった「マジェスタ」のパワーユニットには、レクサス「GS450h」と同じ新世代直噴技術「D-4S」とアトキンソンサイクルを採用した、2GR-FXE型3.5L V型6気筒エンジン+モーターを備えシステム出力343馬力を発生。モーターやインバーターの改良により高効率化を実現し、「V8」に匹敵する動力性能と低燃費を両立させています。
発進時に、軽くアクセルに足を乗せるだけで得られる発進のスムーズさは、ハイブリッド特有の軽さを感じる。しかし「マジェスタ」で感じる出足の軽さは、4気筒の「クラウンハイブリッド」に対してさらにスムーズで滑らかな印象。決して軽いとは言えない1.8t弱の車重を全く感じさせることなく錯覚を覚える程です。
車線変更時の安全運転を支援するブラインドスポットモニターは、ドアミラーでの死角を補い安全運転を意識させてくれる装備です。
アクセルを軽く踏み込むと、静粛性に優れながらもV型特有の音質を楽しみながらの驚異的な加速は、思わずスロットルを開けるのを躊躇う程で、有り余る動力性能と4気筒モデルとの違いを大きく感じることができます。
伝統を継承するクラウンにおいて、大胆な大型グリルの配置や意外性のあるピンク・ブルー・グリーンのカラーバリエーションでも印象深い「クラウン210系」。その中でも最上級モデルとなる「マジェスタ」は、ボディーを共有しながらも威厳に満ちたフロントフェイスや、「ハイブリッド」専用モデルとして「V8」に匹敵する圧倒的なパワー持ち、強いインパクトを与えてくれました。6代目「マジェスタ210系」は、27年にわたる歴史における最後の「マジェスタ」としても、印象に残る1台となりました。

車線変更時の安全運転を支援するブラインドスポットモニターは、ドアミラーでの死角を補い安全運転を意識させてくれる装備です。
13代目クラウン200系人気のおすすめグレード
14代目「クラウン210系」には、「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」さらに「i-Four(4WD)」や2.5L(ガソリン/ハイブリッド)、3.5L(ガソリン/ハイブリッド)、追加された2.0Lターボなど、エンジンバリエーションも豊富です。ここでは、各グレードの違いや、用途に合わせたおすすめグレードを詳しく解説していきます。
各グレードの装備差

ベースグレードの「ロイヤル」、「アスリート」、運転席8ウェイパワーシートを標準装備した「ロイヤルサルーン」、「アスリートS」、電動式リヤサンシェードを標準装備した「ロイヤルサルーンG」「アスリートG」を設定。夜間に前方車両(先行車、対向車)の動きに合わせて遮光範囲を自動調整しながら、ハイビームによる良好な視界を確保する「アダプティブハイビームシステム」や、運転席からの目視だけでは確認しにくい車両周囲の状況を、シフト操作と連動してナビゲーション画面に表示する「パノラミックビューモニター」など、ドライバーの負荷を軽減し、周囲の安全確認を支援する先進のシステムを設定。
「マジェスタ」ベースグレードでは、安全装備として「アダプティブハイビームシステム」、車線変更時の安全運転を支援する「ブラインドスポットモニター」を標準装備。加えてレーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)、プリクラッシュセーフティーシステム(ミリ派レーダー方式)、本革シート、後席パワーシート&シートヒーターなどを装備する最上級「Fバージョン」も選択可能です。
人気のおすすめグレード

2015年10月のマイナーチェンジ後、改良モデルの評価が高く人気があります。「アスリート」で2.0L直噴ターボ8AR-FTS型エンジン搭載車の追加や、ジャパンカラーセレクションパッケージの設定。「ロイヤル」「アスリート」でヘッドライト・フロントバンパー・グリル・フォグランプ、リアコンビネーションランプ、アルミホイールのデザインを変更。インテリアは、木目調パネルの模様や、新カラーバリエーションを設定したほか、シリーズ共通でボディ接合部の剛性強化、フロント・リヤサスペンションのチューニング最適化により、操舵時の車両応答性やグリップ感とともに、乗り心地のさらなる質感向上を実現。上品な美しさが際立つ「ロイヤル」シリーズ、よりスポーティな「アスリート」シリーズを特長としています。

ベースグレードでもフル装備の高い満足度でおすすめのクラウンですが、中古車では価格差も少なくて選べる「ロイヤルサルーンG」「アスリートG」「Fバージョン」など贅沢装備の上位グレード、限定発売の特別仕様車もおすすめです。乗り降りを容易にするためステアリングと運転席が自動的に移動するパワーイージーアクセスシステム、電動式リヤサンシェード、手動式リヤドアサンシェードなどを採用。本革シート装着車は、前席ベンチレーション機能・前席ヒーター付、マイコンプリセットドライビングポジションシステムなどの装備が魅力です。

2.5Lエンジンでも、200馬力以上と日常域では十分なパワーを持ちます。「ハイブリッド」は、パワーや静粛性に優れ13年を超えても、重課税の対象外となるメリットがあります。
14代目クラウン210系の中古車相場

14代目「クラウン210系」は、中古市場でも根強い人気を誇る高級セダンです。高級車らしい優れた走行性能と上質な内装、豊富なラインナップも魅力です。特に中古車ならではのコストパフォーマンスの高さも大きなポイントとなっています。
コスパの高い中古車相場
14代目クラウンの中古車相場は初期モデルなら13年、モデルチェンジから7年以上が経過しており、中古車市場では90万円程度から選べる魅力的な価格帯です。これは日本市場でのセダンの不人気が要因ともなっています。しかし「クラウン210系」は販売台数も比較的多く、現在でも豊富な在庫から選ぶことができます。

やや古さが気になる210系ですが、この車格や信頼性は魅力的です。状態の良い中古車も年々少なくなりますので、気になる方は要チェックです。
人気中古グレードランキング
人気のグレードとしては、維持費や税制面で優れる2.5Lの「ハイブリッド」スポーティな走りと高級感を兼ね備えた「アスリート」が人気です。また、しっかりメンテナンスされている割合が高い法人所有の車やカスタマイズの割合が低い「ロイヤル」も状態の良さから支持を集めています。グレードによる装備の違いもあり、サンルーフや本革シート、贅沢装備の上級グレードも人気です。自分の用途や好みに合わせてグレードを選ぶことが満足度の高い中古車選びにつながります。
中古車選びのポイントや注意点
14代目クラウンの中古車選びで重要なのは、年式・走行距離・修復歴や整備記録簿の有無、そして部品の交換履歴をしっかり確認することです。特にハイブリッド車では補機バッテリーの他、ハイブリッドバッテリーの状態確認が不可欠です。
クラウンは高級車として造りも堅牢ですが、中古車となると1台1台状態も違うので状態を確認しましょう。例えば、エンジンの掛かり具合、エアコンの効きや各スイッチ類の動作確認、サンルーフ装着車であれば雨漏れの確認するのが大切です。可能であれば試乗させてもらいましょう。
また、修復歴があっても内容を確認すると軽微な場合もあります。価格だけで決めず、第三者機関の検査済みや保証付きの車両を選ぶなど、総合的な車両状態を見極めることが失敗しないポイントです。

外装や見た目が綺麗でも、程度が良いとは限りません。基本的なチェックポイントを確認することも大事ですが、信頼できる販売店であるかが最も重要です。
14代目クラウン210系のエクステリアデザイン

14代目クラウンは、洗練されたスタイルと先進的な意匠が際立つエクステリアデザインが特長です。「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」など各グレードで個性を持ちながらも、高級セダンとしての一体感を保っています。
ロイヤルシリーズは、フードと両サイドのボディからグリルへと向かう力強い立体により、押し出し感ある強い塊を表現したフロントビュー。縦に厚みを持たせたアッパーグリルとワイド感を強調するロアグリルを融合し、威厳ある新たなクラウンの顔を象徴的に演出。アスリートシリーズは、低く構えたセンター部やタイヤの存在を強く意識させるフェンダーにより躍動感を演出したフロントビュー。王冠を連想させ、スポーツモデルとしての機能性も感じさせるグリル形状が鮮烈な印象を付与。
ボディサイズ
14代目クラウンのボディーサイズは、全長4,895mm、全幅1,800mm、全高1,460mmと、大柄ながらも日本の道路事情にも配慮されたサイズとなっており、ホイールベースも2,850mmと後席の足元スペースや広々とした室内空間を実現しています。また最小回転半径も5.2mと比較的、取り回しが良いことも特徴です。
フロントマスクの特徴

14代目クラウンのフロントマスクは、品格とダイナミズムを兼ね備えたデザインとなっています。大型グリルや鋭い目元のヘッドライト、FRセダンとしての重厚感を感じさせるバンパー形状が特徴です。グレードによって若干の表情違いもあり、特に「アスリート」ではメッキ加飾やフロントバンパー下部の張り出しがスポーティさを強調します。また、クラウン伝統のエンブレムがフロント中央に据えられ、上質さをさらに引き立てています。これらにより、堂々たる存在感とスタイリッシュな印象を両立しています。
サイドシルエットと流れるスタイル

14代目クラウンのサイドシルエットは、流れるようなルーフラインと伸びやかなボディラインが特徴です。フロントからリアへと続く折り目正しいラインが、クラウンならではの堂々とした佇まいを強調し、軽やかさと重厚感を絶妙にバランスさせたデザインとなっています。また、ドアミラーやサイドモールディングにも上質な加飾が施され、高級車としての品格を持たせています。全体として流麗で空力性能にも配慮された現代的なサイドビューを実現しています。
リアビューとテールランプのデザイン

14代目クラウンのリアビューは、安定感を感じさせるワイドなデザインと、スポーティな印象を与えるのが魅力です。「ロイヤル」「アスリート」で異なるデザインの特徴的なテールランプは横長シェイプを採用し、LEDテールランプが装備されることで、夜間の被視認性と独自性を兼ね備えてより現代的な印象が強調されます。細部までこだわり抜かれたリアデザインがクラウンの存在感を一層際立たせています。
特別仕様車の外観ポイント
14代目クラウンには、特別仕様車も設定されており、それぞれ独自の外観ポイントが用意されています。専用アルミホイールや特別塗装色、さらに専用のバンパー加飾やグリル、デザイン上の差別化が図られています。内外装ともに質感を高める専用パーツが随所に配置されることで、オーナーの所有満足度を高める工夫が施されています。

「アスリートG」、をベースに特別仕様車「アスリートG リボーンピンク」を設定。クラウンにとって意外性のある色彩の組み合わせを内外装で採用した。ボディカラーに新規開発色モモタロウを設定。インテリアにおいても、新色のホワイトを一部の内装品に採用、インテリア色ブラックとの組み合わせにより明快なコントラストを生み出している。
カラーバリエーション紹介
14代目クラウンのエクステリアには、多彩なカラーバリエーションが用意され、オーナーの個性やライフスタイルに合わせた選択が可能です。ボディカラーは、ロイヤルシリーズには、新色「プレシャスシルバー」を含む6色、アスリートシリーズには、新色の「プレシャスシルバー」と「プレシャスブラックパール」を含む6色を設定。グレードや特別仕様車によって選べる色が異なる場合もあり、細部のメッキ加飾やホイールとの組み合わせによって、さらに上質な雰囲気を演出できるのも特徴です。
インテリアと装備の魅力

14代目クラウンのインテリアと装備は、快適性と先進性を兼ね備え、ユーザーに上質なドライビング体験を提供します。特に高級感あふれる素材や最新の便利機能が多数搭載されており、ハイブリッドモデルを含む各グレードで異なる魅力を味わえます。

各種操作スイッチをタッチパネルに集約することで、シンプルな操作性を実現した先進のトヨタマルチオペレーションタッチを採用しています。
高級感あふれる室内の質感

室内には本物志向の素材が随所に採用されており、ドライバーと乗員に極上のくつろぎ空間を提供します。14代目クラウンは、ウッドパネルのカラーや細工、上質なファブリックなど高級感漂う素材で統一され、気品あるインテリアを実現しています。さらに、隙のない仕上がりや細部への徹底したこだわりは、「ロイヤル」「アスリート」ともに共通で、長時間のドライブでも特別な気分が持続します。
メーターとインパネ周辺のデザイン

メーター周りは、視認性と美しさを兼ね備えています。インパネ周辺のデザインは、先進性と直感的な操作性が両立されており、運転中でも必要な情報が一目で分かるよう工夫されています。インテリアには新たに「トヨタマルチオペレーションタッチ」が採用。エアコンやシートヒーター、ドライブモードセレクト等を操作できなど、ドライバーに優しい機能が追加されており、先進のテクノロジーがさりげなく演出されています。
シートアレンジと快適性

14代目クラウンは、広々とした室内空間と多彩なシートアレンジが魅力です。後席のリクライニング機能や電動シート調整、快適なシートヒーターなどが用意されており、上級モデルではベンチレーション機能も装備されています。これらの快適装備により、長時間の移動でも乗員がストレスなく過ごせるよう配慮されています。さらにラゲッジスペースも広く、ハイブリッドモデルでも実用性を損なうことはありません。
オーディオ&ナビゲーションシステム

14代目クラウンには、高性能なオーディオとナビゲーションシステムが搭載されています。CDやDVD、Bluetooth接続に対応し、クリアなサウンドが楽しめるプレミアムサウンドシステムも一部グレードで選択可能です。ナビゲーションは大画面ディスプレイを採用し、地図表示やリアルタイム交通情報表示など多機能性が魅力となっています。
快適装備と便利機能

快適装備として、オートエアコンや電動サンシェード、スマートエントリー&スタートシステムなどが挙げられます。また、室内には多数の収納スペースやカップホルダー、USB・電源ソケットが配置されており、使い勝手の良さにもこだわっています。
安全装備の充実ポイント

14代目クラウンでは安全装備として、新型「プリクラッシュセーフティーシステム」「インテリジェントクリアランスソナー」「ドライブスタートコントロール」車線変更時の安全運転を支援するブラインドスポットモニターや、ハイビームの遮光範囲を自動調整し、良好な視界を確保するアダプティブハイビームシステムを標準装備。また、ITS専用周波数(760MHz)を活用したITSConnectを世界初採用。クルマに搭載したセンサーでは捉えきれない見通し外の情報や信号などの情報を、道路に設置されたインフラ設備とクルマ、あるいはクルマ同士が直接通信し、ドライバーに知らせることで安全運転を支援。
パワートレイン・走行性能

パワートレイン・走行性能においては、最新技術を用いたエンジンと多彩な駆動方式が特徴となっています。モデルごとの差別化が明確で、力強さと環境性能のバランスが追求されています。これにより、直進安定性やコーナリング性能など走行フィールに優れ、快適なドライビングを実現します。
エンジンバリエーション(ガソリン/ハイブリッド)

14代目クラウン「ハイブリッド」には、新世代直噴技術D-4S搭載の2.5L直列4気筒アトキンソンサイクルエンジンと、高トルクモーターの組み合わせにより、3L車に匹敵する動力性能と優れた環境性能を両立する、新開発FR専用ハイブリッドシステムを搭載。
駆動方式の特徴
14代目クラウンは、いずれもFR(フロントエンジン・リヤドライブ)を基本とし、FRならではの回頭性や走行安定性を発揮します。一部モデルでは4WD設定も存在し、路面状況や用途に応じた選択肢も魅力です。FRは前後重量配分に優れ、操縦安定性とドライバーの思い通りの走りが堪能できるため、スポーツドライビングにも適しています。また、4WDモデルは雪道や悪路でも安心して走行できる点がポイントです。これらの駆動方式は、シリーズ全体の走行性能と多目的性を底上げする要素となっています。
走行フィールとドライビングポジション
14代目クラウンは、しっかりとした車体剛性と優れたサスペンション設計によって、しなやかで安定感のある走行フィールが魅力です。運転席のドライビングポジションは、調整幅が広く、長時間のドライブでも疲れにくい設計が特徴です。視界の良さや操作性の高いステアリング、適切なペダル配置など、さまざまな面でドライバー重視の造りこみが見られます。特に高速域やカーブでの安定性の高さが際立ち、快適な乗り心地とスポーツ性を高いレベルで両立しています。
足回りとサスペンション設計
14代目クラウンの足回りは、(前)ダブルウィッシュボーン、(後)マルチリンクで構成されており、路面からの入力を適切に吸収しながらも、スポーティでしっかりとした乗り味を提供します。高級車らしいしなやかさはもちろん、より高い走行性能を実現するための前後の重量配分や足回りのチューニングが施されており、コーナーでの安定性とタイヤの接地性の高さが感じられます。これらの足回り設計が、シリーズ全体の走行性能を支えています。
14代目クラウンの口コミやユーザー評価
14代目クラウンは、優れた走行性能や快適な乗り心地などで、多くのユーザーから評価されています。燃費や維持費のバランス、細部まで配慮されたインテリアなど、長距離の利用にも適していると好評です。ライバル車種との比較でも、クラウン特有の質感や静粛性が際立っているという意見が多く見受けられます。
購入ユーザーの口コミ
14代目クラウンを実際に購入したユーザーからは、高級感がありながら扱いやすいサイズ感、安定した走行性能やハイブリッドモデルの静粛性や燃費性能など、好意的な口コミが多く見られます。内装の質に関しても、さすがクラウンとの声が多く、後部座席の広さも家族層から好評です。一方で、純正ナビがやや古い、維持費がやや高めといった指摘も一部で見受けられますが、全体的には高評価が目立ちます。
他車種オーナーからの評判
14代目クラウンは、他メーカーや他車種のオーナーからも注目されています。ガソリンやハイブリッドを問わず「運転していて静かで上質」「レクサスに匹敵する快適性」といった評判が多いです。また、長年セダンを好む人々からは「走りの安定感」「後席の快適さ」も高評価を得ています。競合のミッドサイズセダンと比較しても、燃費や静粛性、安全性能が一歩抜きん出ていると評価される場面が目立ちます。
実際の燃費と維持費
14代目クラウンの燃費は、ベースモデルのGRS210でリッター10~12km前後、ハイブリッドではカタログ値で20km/L以上の実燃費を報告するケースもあります。維持費については、一般的なセダンと比べてやや高めですが、静粛性や走行性能を重視する人にとっては納得できる範囲と言えるでしょう。定期的なメンテナンスや保険料などもしっかり考慮されており、トータルコストのバランス評価も高いです。
満足度と不満点
14代目クラウンのオーナー満足度は非常に高く、ガソリン、ハイブリッドなど幅広いモデルで「高品質な内外装」「滑らかな乗り心地」、また「信頼性の高さ」が大きな強みとされています。ただし、一部からは「燃費や税金など維持費の負担感」「純正装備の古さ」など、改善を求める声も挙がっています。それでもクラウンならではのプレミアム感や快適性は、多くのユーザーの期待を超えていると言えるでしょう。
長持ちする高い耐久性
14代目クラウンは、高い耐久性で定期的なメンテナンスをしていれば20万km以上走行も可能で、長持ちする車としても定評があります。クラウンの熟成されたエンジンとATの組み合わせで故障リスクが低く、「ハイブリッド」の高価なバッテリーもリビルト部品を使えば比較的安価で、長く安心して乗れます。また、交換部品も比較的流通しており、メンテナンスに困ることはほとんどありません。整備記録がしっかり残っている個体を選べば、末永く快適なカーライフを楽しめます。
まとめ
14代目「クラウン210系」は、この代限りとなった「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」などシリーズごとの魅力や、意外性のある組み合わせで注目を集めたモデルでもあります。ユーザーのニーズに合わせた仕様も用意されており、現在の相場感はコストパフォーマンスに優れると言えます。しかし中古車おいては年数も経過しているため、購入検討時には、見極めも必要になります。クラウンならではの高級感や信頼性、14代目「クラウン210系」は多様な魅力で今後も輝き続ける1台になるでしょう。

2018年6月にフルモデルチェンジした15代目クラウン登場と共に、「ロイヤル」「アスリート」のグレードは廃止され、「マジェスタ」も6代にわたる歴史に終止符を打ちました。