雨の日の車の運転で、タイヤがスリップしてヒヤリ!とした経験はないでしょうか?実際に雨の日は路面が滑りやすくなっており、スリップ事故も多くなる傾向にあります。これは車のタイヤの状態が大きく影響しており、タイヤの摩耗が進んでいるとスリップしやすくなります。またタイヤの種類によって濡れた路面でもスリップしにくい「ウェット性能の高い(雨に強い)」タイヤもあります。今回は、国家資格整備士でタイヤアドバイザー資格を持つ筆者が「ウェット性能の高い(雨に強い)」タイヤ選びについて解説します。
この記事を読めば!雨の多い梅雨の時期やゲリラ豪雨への備え、濡れた路面でも安心な「雨に強いタイヤ」の選び方がわかります!
「雨に強いタイヤ」オススメランキング
一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)のラベル評価をもとに、オススメランキングにしました。
✅「雨に強いタイヤ」オススメランキング
第1位:ヨコハマタイヤ「ブルーアースGT」オススメ度 5
ウェット性能が全57サイズがaグレード。相反する低燃費性能も高いです。
第2位:ブリヂストン「プレイズPXⅡ」オススメ度 4.5
接地形状の最適化により、新品時から摩耗時まで高い排水性を確保し、優れたウェット性能を維持する。
第3位:ダンロップ「ルマンⅤプラス」オススメ度 4
ウェット性能だけではなく、低燃費性能や静粛性能などトータルバランスに優れています。
同3位:トーヨータイヤ「ナノエナジー3プラス」オススメ度 4
低燃費性能とライフ性能を重視した低燃費タイヤながら、相反するウェットグリップ性能を向上させた基本性能に優れたタイヤです。
「プレイズPXⅡ」「ブルーアースGT」「ルマンⅤプラス」「ナノエナジー3プラス」比較表
プレイズPXⅡ | ブルーアースGT | ルマンⅤ+ | ナノエナジー3 プラス | |
---|---|---|---|---|
ウェット性能 | 接地形状の適正化とウェット重視のゴムを採用して高いウェット性能を実現。 | ウェット性能にも寄与するシリカ配合のコンパウンド。左右非対称パターンで排水性を高めています。 | ゴム素材を見直し濡れた路面とタイヤ接地面をフィットさせて、ウェット性能を高めています。 | ナノバランステクノロジーから生まれたウルトラグリップポリマーが、ウェット制動を飛躍的に向上しています。 |
ライフサイクル(長持ち) | シリカ配合ゴムにより耐摩耗性能が向上。専用高剛性パターンで高いライフ性能を確保。 | 同ライン、ブルーアースの他モデルと比較しても、性能レンジで耐摩耗性能は高い。 | 同メーカーの耐摩耗能が優れたエナセーブと性能レンジで比較しても、耐摩耗性能は高い。 | ナノバランステクノロジーとパターン設計ですぐれたライフ性能を実現させタイヤを長持ちさせます。 |
転がり抵抗性能(ラベル評価) 高(AAA〜C)低 | A | AA〜A | AA | A |
ウェット性能(ラベル評価) 高(a〜d)低 | a〜b | a | b | b |
雨に強いタイヤの基準であるウェット性能で選ぶと、「プレイズPXⅡ」「ブルーアースGT」がラベル評価が高くオススメです。
「タイヤ通販」サイトの「タイヤフッド」では購入と同時に取付予約ができます
TIREHOOD(以下タイヤフッド)はオートバックスセブンとカーフロンティア(三菱商事グループ)出資の株式会社BEADが運営しています。タイヤフッドはタイヤ購入と取付予約が同時にできる、直営店を持たないタイヤ通販のネットサービスになります。タイヤをネット通販で購入するときは、 購入したあと取付作業をする店舗に電話で日時を確認するのが 一般的ですが、タイヤフッドなら購入手続きと同時に、 取付作業をする提携店舗の予約も自宅近くなど都合のいい場所を選び、オンライン上で予約が行えます。 購入したタイヤは予約した店舗に直送されるので、 予約日に車で店舗に行くだけです。店舗への電話は不要で、取付作業日まで 購入したタイヤを家に置いておく必要もなし! 女性にも利用しやすいサービスになっています。
タイヤフッドが優れているのは、購入したいタイヤ銘柄の在庫数の確認・取付店舗の予約の空き状況を購入前にネットで確認できるので、気軽に見積りできて予定が立てやすいところです。実際に、「タイヤフッド」で購入・取付を行った「体験レビュー」記事もあります。
ブリヂストン・ヨコハマタイヤ・ダンロップ・トーヨータイヤで選ぶ「雨に強いタイヤ」
ブリヂストン「プレイズPXⅡ」
ブリヂストン「Playz PXⅡ(プレイズPXⅡ)」は、雨の日の濡れた路面のカーブでの横滑りやブレーキをかけた時、制動距離が伸びる点に着目して雨の日でも、しっかり曲がりしっかり止まれるタイヤを実現。また、材料の見直しやタイヤ接地面の最適化により水の流れをスムーズにして、タイヤが摩耗して溝が減ってきても性能低下しにくく、排水効率を溝の残量だけに頼らない新しい技術が使われています。これらの技術により、新品時から摩耗時まで高いウェット性能を維持しています。
ヨコハマタイヤ「ブルーアースGT」
ヨコハマタイヤは、ウェットグリップ性能グレードaのサイズ保有数が業界NO.1※で、雨の日に強いタイヤとして定評があります。その中でも「BluEarth(ブルーアース)GT AE51」は、ウェットグリップ性能での最高グレードaを全57サイズで獲得。不安になりがちな、雨の日の濡れた路面で高い走行性能を実現しました。また、相反する転がり抵抗性能でも高い水準を維持し、低燃費を実現しています。
※2023年12月現在
ダンロップ「ルマンⅤプラス」
ダンロップ「LE MANS Ⅴ+(ルマン ファイブ プラス)」は静粛性や乗り心地で定評のあったルマンⅤが進化、しなやかなゴム素材を採用して路面にフィット。高いウェット性能を実現しています。また、転がり抵抗性能も高く低燃費タイヤとしても、トータルバランスに優れたタイヤと言えます。
トーヨータイヤ「ナノエナジー3プラス」
トーヨータイヤ「NANOENERGY3 PLUS(ナノエナジー3プラス)」は、基本性能と摩耗ライフの向上を両立した低燃費タイヤです。「ナノエナジー3プラス」は新トレッドコンパウンドとワイドトレッド設計による高剛性リブパターンが、摩耗ライフの向上と転がり抵抗の低減を両立。さらにドライハンドリング性能も向上しました。さらに相反するウェットグリップ性能がさらに向上、ウェット制動が従来モデル「ナノエナジー3」よりも13%短縮し、ナノバランステクノロジーから生まれたウルトラグリップポリマーが、ウェット制動を飛躍的に向上しています。
タイヤ溝の残量が少ないとスリップするリスクが高まる
タイヤにある溝は接地している地面を掻いて駆動力を得るほか、濡れた路面では水を溝に引き込み排水することでスリップすることを防いでいます。タイヤが摩耗して溝の残量が少ない(溝が浅い)状態で濡れた路面を走行すると排水性が弱まりスリップするリスクが高くなります。
さらに高速道路などの高い速度域では排水が追いつかなくなり、「ハイドロプレーニング現象」が起こります。「ハイドロプレーニング現象」とは路面とタイヤとの間に水の膜が発生して、車が水の上を滑ってしまう現象です。一度滑り始めてしまうとコントロールが効かなくなり非常に危険です。予防策としては、速度を控えること・溝の残量・タイヤのウェット性能が重要になってきます。
高速道路などを利用して長距離走行される機会が多い方は特に注意が必要です。
ウェット性能の高い「雨に強いタイヤ」とは
車を走行させる上で、刻刻と路面の状況は変わります。雨などで路面が濡れたウェットな状態では乾いた路面ドライな状態に比べて、横滑りしやすくなったり止まろうとしてブレーキをかけても制動距離が伸びる傾向にあります。ここで大事になってくるのがタイヤの「ウェット性能」です。「ウェット性能の高い」タイヤだと濡れた路面に対して走行性能が上がるので、カーブで横滑りするリスクやブレーキをかけた時の制動距離を短く抑えられるメリットがあります。
ウェット性能の高いタイヤは、濡れた路面でもグリップするゴム素材を使用したり、タイヤが摩耗して溝が少なくなっても排水しやすい構造でスリップしにくくなっています。
ウェット性能の高い「雨に強いタイヤ」の見分け方
タイヤのウェット性能を、プロでなくても比較的簡単に見分ける方法があります。その方法と言うのが一般社団法人日本自動車タイヤ協会が発行しているラベリング制度です。現在世界のタイヤメーカー14社が参画しており、根拠となるデーターをもとに認められた製品のみにラベル表示が許されています。ウェットグリップ性能では4等級で性能の高い順からグレードa〜dで分けられaが最も高性能だとわかります。タイヤ製品ラベルやカタログ、webページなどで確認できるのでタイヤ選びでの参考になります。
タイヤの性能が基準以下だとラベル表示が許されないので、タイヤラベルがあると一定の性能が認められているタイヤだとわかります。
「雨に強いタイヤ」はこんな人にオススメです
- 雨の日の走行でスリップしたり、ハイドロプレーニング現象などでヒヤリとしたことがある。
- 雨に日の走行は車線変更やカーブでスリップしてしまわないか不安だ。
- 高速道路など長距離を走る機会が多い。
ウェットだけではないドライでも高い走行性能を持つ「スポーツタイヤ」
タイヤメーカーのラインナップの中には、スポーツタイヤと呼ばれる運動性能がいいタイヤがあります。一般的にスポーツタイヤとは、スポーツカーや高性能なスポーツモデルに採用されているタイヤで、車の走行性能に合わせて、路面との密着性が高くグリップ力やコーナリング性能が高いタイヤについて呼ばれています。このスポーツタイヤはドライ(乾燥路面)だけではなく、ウェットでも高い走行性能があります。こんな走行性能の高いスポーツタイヤについて知りたくないですか?くわしくは関連記事で解説しています。
現在のタイヤメーカーのスポーツタイヤラインナップは、セダン・ワゴン・ミニバン・軽自動車など幅広くなっています。
まとめ
✅「雨に強いタイヤ」オススメランキング
第1位:ヨコハマタイヤ「ブルーアースGT」オススメ度 5
ウェット性能が全57サイズがaグレード。相反する低燃費性能も高いです。
第2位:ブリヂストン「プレイズPXⅡ」オススメ度 4.5
接地形状の最適化により、新品時から摩耗時まで高い排水性を確保し、優れたウェット性能を維持する。
第3位:ダンロップ「ルマンⅤプラス」オススメ度 4
ウェット性能だけではなく、低燃費性能や静粛性能などトータルバランスに優れています。
同3位:トーヨータイヤ「ナノエナジー3プラス」オススメ度 4
低燃費性能とライフ性能を重視した低燃費タイヤながら、相反するウェットグリップ性能を向上させた基本性能に優れたタイヤです。
安くて「雨に強いタイヤ」を選ぶなら「タイヤ通販」オススメランキング
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雨の日の車の走行は、視界や路面状態など条件が悪く不安に思われる方が多くおられると思います。実際にカーブでは滑りやすく、制動距離も長くなり唯一路面と接しているタイヤの役割は大きくなり、タイヤのウェット性能が重視されます。今回の記事が少しでもタイヤ選びの参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。